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将棋上達法(上級者編)

2011年11月 5日 (土)

アマ強豪に聞く将棋上達法 番外編

アマ強豪に聞く上達法の番外編、『アマ将棋日本一になる法』より、湯川恵子さん(アマ女流五冠王)のご登場だ。湯川さんは、現在フェアリープリンセス(女性将棋同好会)の会長として、アマ女性のために数多くの将棋大会を運営されている。

くやしさをバネに
……日頃からどうにも気の合わないイヤな奴がいて、私は密かに彼を「キツネ」と呼んでいたのだが、そのキツネがある日、「将棋教えてやろうか」と言った。「知ってるわよ、将棋ぐらい」と答えてしまった。さっそく対局が始まったが、なんと彼は無断で六枚も引いてしまうではないか。そして私はコロリコロリと何度もくり返しひねられた。その時のキツネの顔!
私は生まれて初めて、将棋に負けるということはなんとくやしいものかを思い知った。(くやしい、くやしいっ)……女流アマ名人位を獲ったのはその四年後である。

今回は具体的な練習方法ではなく、こころがまえの問題だ。勝つことによって楽しさを知り、将棋が好きになるという人もいる。その一方では、将棋は負けるとくやしい。なので、負けたくないという一心で将棋にはまってしまった方もおられるのだ。「負けるのがいやだから、負けそうな相手からは逃げる」のではなく、「負けるのがいやだから、もっと練習しよう」というように、気持ちを切りかえよう。

「負けて泣く子は強くなる」という説もある。プロ棋士の佐藤康光九段も、こどものころには負けるとわんわん泣いて、まわりを困らせていたらしい。

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2011年10月11日 (火)

アマ強豪に聞く将棋上達法 その5(つづき)

アマ強豪に聞く上達法の第5回、『アマ将棋日本一になる法』より、平畑善介さん(史上最強ともいわれるアマ名人)のつづきだ。

序盤の戦法について
Q「宗歩と詰将棋だけで、ほんとに善さんみたいに強くなってアマ名人になれんの? 宗歩の中終盤は認めるけど序盤の戦法は今だいぶ変わってるよ」
A「序盤は自分で研究することだ。……プロに負けないぐらいの新手もつくった。……俺の三間飛車を大野源一が少し改良して、プロで使い始めてどんどん勝っていった。……アマでも超一流になる者は、プロの真似ばかりしていない。自分で研究して独自のものを持っているよ」
平畑善介上達法をまとめてみると…。1・天野宗歩の棋譜100局、最初から最後まで覚える。2・詰将棋3000問ぐらい詰ます。3・序盤は自分で研究する。4・自分より強い相手がいたら、倒すまでとことん挑戦する。

才能もあったのだろうが、それだけではない、ものすごい練習量だ。アマ名人戦では一度しか優勝していないが、(わざと)予選でと負けて各県の代表と真剣(賭け将棋)を指すのが楽しみだったそうだ。一度だけ優勝したのは、こどもに「一度くらい日本一になってよ」とせがまれたからだという。う~ん、すごい話だ。

ここのところ、すこし上級者向けの記事が多くなっていた。なので、また初心者・初級者向け、あるいはお母さん向けの記事も準備しようかと思っているところだ。

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2011年10月10日 (月)

アマ強豪に聞く将棋上達法 その5

アマ強豪に聞く上達法の第5回、『アマ将棋日本一になる法』より、平畑善介さん(史上最強ともいわれるアマ名人)のご登場だ。平畑さんは、プロ八段との真剣(プロの香落ち)で8連勝したというからおどろきだ。

平畑流上達法
Q「善さん、どんな勉強してそんなに強くなったの? 木村名人や阪田三吉の棋譜でも並べて研究したの?」
A「バカ! そんなもん並べて強くなるか。俺は昔、天野宗歩の棋譜100局ぐらいを全部第1手から終わりまで、覚えた。棋譜は宗歩だけでいい。他はいらん。棋譜を並べるときは、次の指し手が見えないようにして両方の指し手を考える。1局2時間ぐらいかけて、一生懸命並べて研究すれば自然と本筋を覚え強くなる。」
「それと俺は昔、仕事は船乗りやったから詰将棋が便利でよくやった(3000問ぐらい)。詰将棋は終盤力がつくだけでなく、深く正しい読みの訓練にはちょうどいい」

ここでもやはり、棋譜並べと詰将棋がでてきた。ところが…、天野宗歩と詰将棋だけで、これほどまでに強くなれるものだろうか? 天野宗歩の中終盤は全盛期の羽生・谷川レベルという人もいる。しかし、序盤の戦法は今とはずいぶん異なるようだ。はたして、古い棋譜だけでほんとうに上達できるのか?(次回へつづく)

天野宗歩の棋譜並べについては、新井田先生からもお聞きしたことがある。「江戸時代から昭和まで、昔の強い人の将棋を並べるのも、ひじょうによい勉強になる」らしい。

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2011年10月 8日 (土)

高速棋譜並べについての追記

以前、「高速棋譜並べ」についてご紹介したところ、わりと反響があったので、追記をしたいと思う。吾輩が「高速詰将棋」や「高速棋譜並べ」に興味をもったのは、以下の記事がきっかけになっている。

「将棋上達法」(by maiha さん)

「プロの1局を100回並べる」→「それを100局おこなう」→「さらに、それをくり返す」→「将棋倶楽部24で2100点までは保障」。あるいは詰将棋や手筋なら100問3分でできるまでくり返し練習しようという、なんとも大胆な提案だ。吾輩自身によって実証したやり方ではないので、効果のほどは不明だが…。妙に気になる記事なのだ。

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2011年10月 2日 (日)

アマ強豪に聞く将棋上達法 その4(つづき)

アマ強豪に聞く上達法の第4回、『アマ将棋日本一になる法』より、大田学さん(テレビドラマ「ふたりっ子」“銀じい”のモデル、63歳!で朝日アマ名人)のつづきだ。

早指しについて
「最近、対局時計を使ってよく10分切れ負けとか、15分切れ負けでやっとるのを見るけど、これは……強うならん。強いもんが遊びでやっとるのは別にかまわんが、弱いものが強くなろうと思ったら、絶対にやってはいかん。やはり将棋は深く読まなアカン。考えて勝つのが本当の将棋や。」「ワシが思う上達法をまとめてみると…。1・少しでも上の人と指す。2・負け将棋を自分で研究する。3・早指しは強くならん。4・上手を相手にしても簡単にあきらめてはいかん。というようなことかな。」

羽生さんもどこかで言っていたが、「将棋は覚えるゲームではなく、考えるゲーム」なのだ。初心者・初級者のこどもは、早指しでかまわないと思うが、ある程度以上強くなったら、今度はとことん考える練習が必要になる。

ところで、歴代のアマチュア強豪のうち、誰が最強だったか? 大田さんの時代では、平畑善介さん(第5回アマ名人)が別格に強かったそうだ。そのうちに、平畑さんの上達法をご紹介したいと思うので、お楽しみに!

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2011年10月 1日 (土)

アマ強豪に聞く将棋上達法 その4

アマ強豪に聞く上達法の第4回、『アマ将棋日本一になる法』より、大田学さん(テレビドラマ「ふたりっ子」“銀じい”のモデル、63歳!で朝日アマ名人)のご登場だ。大田さんといえば、真剣(賭将棋)というイメージがあるが、真剣と上達との関係をどのように考えておられるのだろうか?

真剣(賭将棋)について
「賭将棋をすすめるわけではないが、上手の人に指してもらう場合、やむを得ないこともある。指導料と同じや。ワシの場合、出発点が賭将棋やったおかげで、一局たりともいいかげんな将棋は指さんかったのが良かったかもしれん。」「上手も金がかかってるんで、ワシが研究してきたとみるとその上の手を使って全力で倒しにくる。これが今思えば最高の師匠やった。」「対局中は上手に教わるという気持ちは捨てて、負かしにいく気持ちが大事。そうすれば苦しい将棋を頑張ることもできるし、最後まであきらめない精神力が自然と身につくはずや。」

プロの先生や将棋教室の先生に教えていただく場合にも、こころがまえは真剣とおなじらしい。感想戦で先生の教えを「はい、はい」とただ聞くだけで、教わって強くなろうという受け身の気持ちではなかなか上達できないそうだ。(次回へつづく)

前回の沖さんのお話にもでてきたが、やはり、負けた将棋を自分で研究することがいちばん大事なのだ!

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2011年9月28日 (水)

アマ強豪に聞く将棋上達法 その3(つづき)

アマ強豪に聞く上達法の第3回、『アマ将棋日本一になる法』より、沖元二さん(アマ名人2回など)のつづきだ。沖さんの駒落ちについてのご意見は、平手とおなじように、本に書いてあることを単に覚えるだけでは不十分だという。

二枚落ちについて
「下手で負ける人は定跡をよく知らんし負けても研究をしていない。同じ手で二度も三度も負ける下手がいるが、……本気で強くなりたいと思うとるのか疑問に思うことがある。上手からみると、定跡をしっかり覚え、研究されたら、たちまち困って勝てなくなるよ。……二枚落ちで上手に負けて感想戦だけハイ、ハイと感心して聞いとるようでは、なかなか勝てない。自分で研究することが大事やな。」
「とにかく、定跡→実戦→研究→定跡→実戦→研究 これを一生懸命くり返せば、必ず勝てるようになる。」

もちろん、指導対局での感想戦は大事なのだが、自分で研究することはそれ以上に大事だという。駒落ちでも、本に書いてあることを“うのみ”にせず、本と実戦をくり返そう!

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2011年9月21日 (水)

アマ強豪に聞く将棋上達法 その3

アマ強豪に聞く上達法の第3回は、『アマ将棋日本一になる法』より沖元二さんのご登場だ。沖さんもやはり、アマ名人2回など数々の全国タイトルを手にした超強豪だ。

定跡について
「私の思うに、強くなるためには、やっぱり定跡を覚えなアカンな。定跡が10あるとしたらせめて1から8・9まで覚えなアカン。ところがみんな途中までしか覚えん。……なんで定跡を忘れるかというと、実戦が足らんから忘れるんや。……本読んで→実戦→本→実戦とくり返すことが大切やと思う。」
「皆さんも定跡の本を読むとき、これにて先手有利、不利をうのみにせずに、……その局面から納得がいくまで強い人と指すべきや。これをくり返せば、実戦は生き物だということがよくわかるし、……上達のスピードも速くなる。」

定跡本で「これにて不利」と書いてある局面を実戦でためしてみると、案外勝てることが多いそうだ。なぜなら、相手は本に有利と書いてあることを信用して、その先を研究していないからだ。プロ並みに微差を勝ちきる実力のある人は、なかなかいないのだろう。(次回へつづく)

本に書いてあることを“うのみ”にせずに、本と実戦をくり返そう!

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2011年9月19日 (月)

アマ強豪に聞く将棋上達法 その2

アマ強豪に聞く上達法の第2回は、『アマ将棋日本一になる法』より田中保さんのご登場だ。田中さんも、前回の谷川さんと同様に、アマ名人をはじめとして数々の全国タイトルを手にした超強豪だ。

特殊訓練
Q「有段の域に達して、現在のレベルに至るまでに、何か特別な勉強をされましたか。」
A「特別といえるかどうかわかりませんが、詰将棋をできるだけ速く解く練習をしました。」
Q「例えば、10分で初段という問題なら、半分の5分くらいで詰ますということなんでしょうか。」
A「問題によってやさしいのやら、難しいのやらありますが、だいたい10秒以内ですね。」
Q「えーっ! そんなに速く解くのですか。」
A「もっとも、それは13手以内の短手数のものばかりですけど。」
Q「それでも、10秒以内ということは、ほとんど直感でしょう?」
A「詰み形がすぐに浮かぶこともありますが、多くの場合、やはり一手一手読むわけです。」「ごく短いものから訓練していけば、13手ぐらいのものまで可能だと思います。」

先日、高速棋譜並べとともに、高速詰将棋をごく簡単にご紹介したばかりだ。あまりにレベルが高すぎてコメントのしようがないが、これも高速詰将棋の一種だと思う。全国レベル、あるいは奨励会入りを目指すには、これぐらいの特殊訓練が必要なのかもしれない。

おそらく、難しい詰将棋を毎日1題解くよりは、(自分にとってはやさしい)詰将棋を毎日100題解くほうがよいのだろう。

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2011年9月18日 (日)

アマ強豪に聞く将棋上達法 その1

アマ強豪に聞く上達法の第1回は、『アマ将棋日本一になる法』より谷川俊昭さん(谷川浩司十七世名人のお兄さん)のご登場だ。お兄さんも、アマ王将をはじめとして数々の全国タイトルを手にしており、羽生さんを平手でやぶったこともある超有名強豪なのだ。

果てしなき乱取り
「やはり兄弟にとって幸いだったのは、お互いがちょうど良いライバルだったことでしょう。一体どのくらい指したのか。これについては……兄弟で話して、全部で5000局ぐらい、私の3000勝2000敗ぐらいかなという結論になりました。」

「早見えのする子供どうしの将棋なので、その頃の対戦は、柔道でいう乱取り、相撲でいうぶつかり稽古といったものだったように記憶しています。一手一手に時間をかけたり、感想戦をしっかりするというようなことはありませんでした。1日に平均5局、多いときは10局に及ぶこともあったでしょう。」

「上達のためには、身近なライバル、それも自分より少し強いライバルが側にいる環境が望ましい。弟にとって私がまさにそんな存在だったわけです。職場で、学校で、家庭で、負けたくない相手を作ることは非常に大切です。」

今回のポイントは2つある。第1に、はじめのうちは、とにかくたくさん対局すること。第2に、ライバルをみつけること。たしかに、どんなによい本をもっていても、実戦が少ないと、なかなか力がつきにくい。また、もしもお父さんやおじいちゃんよりも強くなってしまったら、家では練習する相手がいなくなってしまう。あるいは、学校の将棋クラブや児童館で一番強くなってしまったら、お山の大将になって、向上心がなくなってしまう。

将棋教室にかよったり、たくさんの大会にでたりして、できるだけ実戦の機会を増やそう。そうすれば、きっとライバルがみつかるぞ!

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