アマ強豪に聞く将棋上達法 番外編
アマ強豪に聞く上達法の番外編、『アマ将棋日本一になる法』より、湯川恵子さん(アマ女流五冠王)のご登場だ。湯川さんは、現在フェアリープリンセス(女性将棋同好会)の会長として、アマ女性のために数多くの将棋大会を運営されている。
くやしさをバネに
……日頃からどうにも気の合わないイヤな奴がいて、私は密かに彼を「キツネ」と呼んでいたのだが、そのキツネがある日、「将棋教えてやろうか」と言った。「知ってるわよ、将棋ぐらい」と答えてしまった。さっそく対局が始まったが、なんと彼は無断で六枚も引いてしまうではないか。そして私はコロリコロリと何度もくり返しひねられた。その時のキツネの顔!
私は生まれて初めて、将棋に負けるということはなんとくやしいものかを思い知った。(くやしい、くやしいっ)……女流アマ名人位を獲ったのはその四年後である。
今回は具体的な練習方法ではなく、こころがまえの問題だ。勝つことによって楽しさを知り、将棋が好きになるという人もいる。その一方では、将棋は負けるとくやしい。なので、負けたくないという一心で将棋にはまってしまった方もおられるのだ。「負けるのがいやだから、負けそうな相手からは逃げる」のではなく、「負けるのがいやだから、もっと練習しよう」というように、気持ちを切りかえよう。
「負けて泣く子は強くなる」という説もある。プロ棋士の佐藤康光九段も、こどものころには負けるとわんわん泣いて、まわりを困らせていたらしい。
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