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2011年6月15日 (水)

女子将棋 普及プロジェクト3(つづき)

女子の将棋普及を考えるにあたって団体戦を中心にとりあげるのは、女子が将棋をつづけるうえでは、“仲間の存在”がもっとも重要だと考えるからだ。“将棋自体の魅力”にとりつかれる例は、男子とくらべると女子はまれだ。それは、男性のプロ棋士と女流棋士をみてもあてはまる。おなじ目標をもって仲間といっしょに戦う団体戦こそが、将棋の楽しさ・奥深さを知るためのきっかけとなるだろう。

経験者すらほとんど入ってこない状況で、初心者がわずか1~2年の練習で、なぜ他の強豪校と互角以上に戦うことができるのか? 長野県の岩村田高校将棋部の秘密にせまるため、顧問の土屋先生による『週刊将棋』記事のつづきをご紹介したい。

いよいよ全国へ
「同好会設立から6年目の春、純真な3人の生徒が将棋部に入部しました。……自分たちはもっとやれる、もっと強くなれる、ただそれだけを伝えてきました。」「(初の全国2008群馬大会は)経験不足から気ばかり焦って空回り。……帰りの車の中で悔しそうに詰将棋を解く生徒の姿が今でも忘れられません。」「再び全国(2009三重大会)へ挑みました。心技体とも最強となった3年生、それを慕う後輩、……生涯でこれ以上のチームは作れないと感じました。……しかし、勝利の女神は微笑まず、5位入賞に終わりました。」「年甲斐もなく生徒の前で泣いてしまいました。『全国5位ってすごいじゃないか。胸を張って堂々と岩村田へ帰ろう』そう言って、もう一度3人の頭をなでました。その後も、生徒達は部屋の片隅で一晩中泣いていました。」
(『週刊将棋』2010年11月10日号「スクール発 部活ストーリー」より)

このとき土屋先生は、精一杯育て上げたこの3人でさえも全国では勝てないのかと、心の底から悔しく思ったそうだ。ところが、この敗北が思わぬ形で翌年の全国制覇へとつながるのだから、わからないものだ。この年に入部した1年生(もちろん初心者)が、身近な先輩が全国大会で次々と強敵を打ち倒し勝ち進む姿、最後には力尽きて泣き崩れた姿をしっかりと目に焼きつけていたのだった……。(次回につづく)

2009三重大会の詳しいようすは、こちら。→「岩の上のポニョ最後の大会」
チームの成長のようすは、こちら。→「岩の上のポニョ伝説 ~奇跡の軌跡~」
※「岩の上のポニョ」とは、チームの愛称。

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コメント

はじめまして。

長野県将棋情報サイト管理人のテツ母です。
このたびはブログにて岩村田高校をとりあげてくださりありがとうございました。
ポニョや岩仔ちゃんたちのことをこうしてほかの県の方に注目していただき、本当にうれしく思います。

補足ですが、岩村田高校のある長野県佐久市はほかにも「野沢北高校」「野沢南高校」が将棋が強く、女子率も非常に高いです。
それぞれの学校の顧問も岩村田の土屋顧問並みに指導に熱心で、よく3校で合同練習会なども行っています。
それに、地域のローカル大会にも生徒自ら乗り込んで練習をしています。(もちろん女子もです)

近くにライバル校が点在しているのも、岩村田の(もちろん野沢北・野沢南も)強さだと思っています。
今年の女子団体は「野沢南」が優勝(岩村田はシード)
個人戦では岩村田1名・野沢北2名が代表権を勝ち取りました。

テツ母さま、コメントありがとうございます!
「長野県将棋情報サイト」はすごい情報量ですね。私が小学校や高校の団体戦に注目するようになったのは、テツ母さまのおかげです。長野県の高校女子は本当にレベルが高くて、全国上位の力をもつチームがいくつもありますね。岡山朝日メンバーのひとりも、先日の福成教室にきてくれて熱心に練習していました。全国大会では長野県勢との対決があるかもしれません。

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